平成26年第1回定例会 本会議報告
会期:平成26年2月28日~3月19日
議案第1号 市道路線の認定について
今回認定する市道第2山王団地4号線は、宅地造成に伴い新設された道路をご寄附いただき、市道認定するもの。
- 平成26年2月28日 原案可決
議案第2号 字の区域の変更について
屋形原南部土地改良事業に伴い、地区内の土地の区画及び形状を改めた結果、字の区域を変更する必要が生じたもの。
- 平成26年2月28日 原案可決
議案第3号 沼田西中学校屋内運動場建築工事請負契約の変更について
土工事及び内部造作工事等に関し設計変更が生じたため、その工事費について、既定の契約金額に343万3,500円を追加し、契約金額を2億9,743万3,500円とするもの。
- 平成26年2月28日 原案可決
議案第4号 沼田市地域の元気臨時基金条例の制定について
地域経済の活性化に資する事業の財源に充てるため、国庫補助金である「地域の元気臨時交付金」を財源として基金を設置するもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第5号 沼田市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例について
地方公務員法の一部改正に伴い、「職員の育児休業の状況」を追加するもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第6号 沼田市保健福祉センターの設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例について
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部改正に伴い、引用条項の整備を行うもので、第1条で沼田市保健福祉センターの設置及び管理に関する条例を、第2条で沼田市白沢福祉作業所の設置及び管理に関する条例を、第3条で沼田市あおぞら作業所の設置及び管理に関する条例を改正するもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第7号 沼田市社会教育委員条例の一部を改正する条例について
社会教育法の一部改正に伴い、これまで同法で定められていた社会教育委員の委嘱の基準が削除され、当該委嘱の基準を条例で定めることとなったために改正するもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第8号 平成25年度沼田市一般会計補正予算(第6号)
国県支出金の確定又は制度改正等により既定の予算に増減を生じるもの、特別な理由により緊急に対応する必要があるもの等について措置するとともに、平成25年度における補正として各事業を精査し、事業費の確定等による歳入歳出予算の整理を行ったもので、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ2億9,759万4,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ209億541万7,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第9号 平成25年度沼田市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ2,243万8,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ67億3,246万6,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第10号 平成25年度沼田市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ17万9,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ5億7,284万9,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第11号 平成25年度沼田市介護保険特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1,188万1,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ43億7,123万8,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第12号 平成25年度沼田市簡易水道事業特別会計補正予算(第4号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1,266万9,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ3億3,763万9,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第13号 平成25年度沼田市下水道事業特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ3,025万2,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ15億6,907万7,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第14号 平成25年度沼田市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ86万5,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ1億6,235万1,000円とするもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第15号 平成25年度沼田市水道事業会計補正予算(第3号)
予算第3条 収益的支出において、既決の収益的支出に199万3,000円を追加し、収益的支出の予定額を3億4,552万3,000円とするもの。
また、予算第4条 資本的収入において、既決の資本的収入に319万3,000円を追加するもの。
- 平成26年3月10日 原案可決
議案第16号 沼田市行政財産使用料条例等の一部を改正する条例について
平成26年4月より消費税率が現行の5%から8%に改正されることに伴い、関係条例の一部改正を行うもので、市の施設の使用に対する使用料に消費税相当分を転嫁するもの。
社会的な配慮から転嫁することが適当でないものなどは適用除外とし、原則として、8%の消費税相当額を加算した金額に10円未満の端数が生じた場合は、切り捨てる措置とする。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第17号 沼田市立幼稚園保育料等徴収条例の一部を改正する条例について
少子化対策として、第3子以降の保育料及び入園料を無料化することにより、保護者の経済的負担を軽減し、子育て支援の充実を図るため改めるもの
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第18号 沼田市特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例の一部を改正する条例について
現下の厳しい財政状況を踏まえ、平成25年度に引き続き、平成26年4月1日から平成27年3月31日の間、市長及び副市長の給料を現行の給料額から市長にあっては16%、副市長にあっては13%引き下げ、それぞれ71万5,000円、60万6,000円とするもの。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第19号 沼田市教育委員会教育長の給与その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例について
現下の厳しい財政状況を踏まえ、平成25年度に引き続き、平成26年4月1日から平成27年3月31日の間、教育長の給与について、現行の給料額を約10%引き下げ、56万7,000円とするもの。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第20号 平成26年度沼田市一般会計予算
予算の総額は、208億8,821万4,000円で、前年度当初予算と比較して2.2%、4億4,894万7,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第21号 平成26年度沼田市国民健康保険特別会計予算
予算の総額は、66億9,915万8,000円で前年度当初予算と比較して0.9%、6,153万5,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第22号 平成26年度沼田市後期高齢者医療特別会計予算
予算の総額は、5億9,815万8,000円で、前年度当初予算と比較して5.3%、2,987万7,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第23号 平成26年度沼田市介護保険特別会計予算
予算の総額は、42億8,704万6,000円で、前年度に比較して3.9%、1億6,135万4,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第24号 平成26年度沼田市簡易水道事業特別会計予算
予算の総額は、3億5,956万9,000円で、前年度当初予算と比較して3.9%、1,357万5,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第25号 平成26年度沼田市下水道事業特別会計予算
予算の総額は、15億4,231万5,000円で、前年度当初予算と比較して4.4%、7,121万円の減。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第26号 平成26年度沼田市農業集落排水事業特別会計予算
予算の総額は、1億7,073万円で、前年度当初予算と比較して5.0%、813万8,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第27号 平成26年度沼田市水道事業会計予算
予算の総額は、5億2,074万6,000円で、前年度当初予算と比較して9.8%、4,644万1,000円の増。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第28号 豪雪被害からの生活再建及び早期復旧に関する意見書案について
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第29号 平成25年度沼田市一般会計補正予算(第7号)
2月14日及び15日の豪雪による災害復旧関係経費に限定し、既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ2億3,423万3,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ211億3,965万円とするもの。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第30号 沼田市固定資産評価審査委員会の委員選任の同意について
任期満了による、後任委員選任の同意。
- 平成26年3月19日 同意
議案第31号 「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかなる制定を求める意見書案について
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第32号 沼田市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について
現下の厳しい財政状況を踏まえ、平成25年度に引き続き、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間、現行の議員報酬額を議長にあっては10%、副議長にあっては8%、議員にあっては5%引き下げ、それぞれ38万3,000円、33万円、32万2,000円とするもの。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第33号 平成26年度沼田市一般会計補正予算(第1号)
2月14日及び15日の豪雪により大規模な被害を受けた農業の早期復興を図るため、農業施設の再建及び農作物の回復を目的とした農家支援関係経費に限定し、歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ6億2,993万6,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ215億1,815万円とするもの。
- 平成26年3月19日 原案可決
議案第34号 ブラッドパッチ療法の保険適用及び脳脊髄液減少症の診断・治療の推進を求める意見書案について
- 平成26年3月19日 原案可決
請願第1号 脳脊髄液減少症の診断及び治療等に関する請願書
- 平成26年3月19日 採択
請願第2号 武道館建設を求める請願書
- 平成26年3月19日 採択
施政方針
平成26年第1回沼田市議会定例会の開会に当たりまして、平成26年度各会計予算並びに関係諸議案の大要と市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民皆様方の深い御理解と御協力を賜りたいと存じます。
昨年の最大の話題は、何と言っても11月22日に待望の久しかった椎坂トンネルの開通でありました。歴代の先輩諸兄から引き継いだ大きな課題でありました本事業は、新生沼田市にとりましても、広くは利根沼田、さらには群馬県北部の大きな発展に夢と希望を与えてくれた金字塔であったと言っても過言ではありません。
加えて、同じく昨年5月の老神温泉の大蛇御輿が世界のギネスブックに登載されたことは、これまた全国に誇れる快挙であり、沼田市の発信力に大きく寄与されたものと考えております。
本市のよき伝統は、40年ぶりに復活した9月7日の花火大会に見られるように、内外に大きな感動と夢を与えてくれました。申すまでもなく、組織された実行委員会の活躍は目を見張るものがあり、大きな発信力とその実績は、新生沼田市の大きな原動力となることを信じて疑いありません。
また、第95回全国高等学校野球選手権記念大会においては、初出場で初優勝を成し遂げた前橋育英高等学校野球部のメンバーとして、本市出身の3人が活躍されました。尾瀬高等学校の生徒さんは、日本学生化学賞で全国入選を果たされました。利根実業高等学校の生徒さんは、群馬イノベーションアワード2013入選、テクノフェアー2013で最優秀賞を受賞されました。
また、F1レーシングドライバーを目指して海外で奮闘している若人もおります。
このほかにも、本市の数多くの若い芽が飛躍を遂げ、日本で、さらに世界で、大輪の花を咲かせています。そして、その姿は私たちに元気と勇気を与えてくれました。
彼らのこうした姿は、本市が未来に向かい大きく羽ばたき、希望と夢を持ち、全市民が心を一つにして未来に向かう原動力となり、これからの本市のまちづくりにも大きく寄与するものと強く感じております。
「未来は青年のものだ」という歴史上の言葉が正にそれを示しており、まちづくりにおいても、市民が目標を共有し、市民と行政が協働の理念を基軸とし、それぞれがそれぞれの役割を担い、日々切磋琢磨し、協力しあい、その実現や達成に向けて果敢に挑戦し続けることが大切であります。また、その土壌をつくっていくことについては、行政の果たす役割が大きいものと認識しているところであります。
我がまちの持つ魅力ある大自然、そして歴史文化、この多様性のある環境が力強く、しかも心温かい人間力となって行政・市民の皆さんが一体となって、活力と発信力のある新生沼田市の建設を進めたいと考えております。
常に、今日的時代背景を的確に把握し、市民の声を真摯に捉まえ、行政と市民の信頼関係を確立する責務があると認識をしております。基礎自治体の使命は、常に地域住民の目線に立って、市民の安全・安心のために努力しなければならないことは言うまでもありません。
本市は、市制施行60周年及び合併10年目を迎える記念すべき節目の年を迎えました。この間、産業構造の変化による空洞化や、整備してきたインフラの老朽化、人口減少や少子・高齢化などさまざまな課題が発生しております。そうした中、行財政改革に取り組み、当初の目標を上回る効果を上げてきましたが、景気低迷や扶助費の増加などの影響により財政運営はいまだ厳しい局面が続いており、財政の健全化が依然として課題となっております。
これら諸課題の解決に向かって全職員一丸となって努力傾注する覚悟でありますので、何とぞ関係各位の暖かい御理解と御指導をよろしくお願いいたします。
さて、平成25年度は新政権がデフレ脱却等を掲げて(1)大胆な金融政策、(2)機動的な財政政策、(3)民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を柱としたアベノミクスと言われる経済対策を推進した年でありました。とりわけ、金融緩和は変動はあるものの、長期金利の低下が円安、株高をもたらし、国内経済は緩やかな回復を示しております。今年4月からの消費税率引き上げに関しましても、政府は約5.5兆円の経済対策を打つことで、そのマイナス効果をできる限り縮小させようとしております。経済の回復が中期的な確かなものであるとの認識が経営者等に広がり、これにより相乗効果が生み出されることを期待するものであります。いずれにいたしましても、今後の動向に注視してまいりたいと思います。国の示す平成26年度予算編成の基本方針においては、我が国の財政状況は、少子高齢化の要因によって悪化が続く中、リーマンショック後の経済危機への対応、東日本大震災への対応等が重なって、近年著しく悪化が進み極めて厳しい状況にありますが、経済財政政策によりデフレ脱却への期待や景気回復に向けた動きが見られ、このような動きを確実な軌道につなげていくため、民間投資を喚起する成長戦略である第三の矢の実現のため、日本再興戦略が閣議決定され、産業競争力強化法、国家戦略特別区域法などの積極的な活用や政策資源の重点配分により、日本経済の成長力を強化し、その成長の果実を全国津々浦々まで届けていくこととしております。
また、地方が地域経済の活性化に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、平成26年度においては、地方交付税等の一般財源総額について、社会保障の充実分等を含め、平成25年度の水準を相当程度上回る額を確保することとしております。
平成26年度は、沼田市第五次総合計画の後期実施計画の3年次に当たることから、その進捗を図るため、市民福祉の向上と行財政基盤の確立を基本とし、将来にわたって持続可能な行財政運営を進めるものであります。さらに時代とともに多様化する市民ニーズを的確に把握し、市民一人一人が心身ともに充実した元気で明るい地域社会の実現に向けて、一層の努力を傾注してまいります。
全国的な情勢として中山間地域を取り巻く環境は厳しさが年々ひとしおのものを感じる昨今です。
地域社会の崩壊は地方自治体、ひいては国家の崩壊にもつながることを思うとき、ここは歯を食いしばって、地域をしっかりと守って行く強い意志を持って行政に取り組んでいかなければなりません。
市民生活を第一に、内にあっては人材育成と経費節減に努め、持続可能な行政財政運営に努力傾注していきたいと考えております。
申すまでもなく私たちは、子どもから高齢者まで誰もが安全で安心して笑顔で暮らせる社会、潤いある未来に向けて、一歩たりとも後退することなく、前進していかなければなりません。さらに外に向かっては、「歴史と大自然が息づく」活力ある諸事業を積極的に展開することによって、とみに高まった本市の発信力である特徴的な都市間交流、観光推進事業等をさらに充実してまいりたいと考えております。
こうした中、組織機構については、組織機構のスリム化・効率化を図るため、平成26年度から市民部市民課の3係を2係に統合し、係の削減を行うとともに、政策面において特にグリーンベル21の諸課題に対応するため経済部産業振興課に「グリーンベル21対策係」を設置、また、限定特定行政庁としての体制整備を図るため、都市建設部建設課に2係を設置し、同課建築室を廃止、全庁的な行政経費の節減合理化と簡素で効率的な事務執行に万全を期してまいります。
現状の課題を的確に捉まえ、未来に向かって夢と希望のもてる発信力を節目の年にふさわしい本年がその大きな源となれるよう強い足取りで一歩ずつ確実に前進していく覚悟であります。
「平成26年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によれば、日本経済は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」の効果もあって、実質GDPが4四半期連続プラス成長となるなど、着実に上向いておりますが、景気回復の実感は、中小企業・小規模事業者や地域経済には未だ十分浸透しておらず、また、業種ごとの業況にはばらつきが見られ、物価動向についてもデフレ脱却は道半ばであります。このような状況を踏まえ、今後の経済財政運営に当たっては、経済成長につながる施策を果断に実行していくとともに、未来に向けて持続可能な制度を構築し、デフレ脱却・経済再生と財政健全化の好循環を達成していくことが必要であるとしております。
一方、群馬県においては、県税収入の増収が見込まれることから、景気回復・成長予算とし、平成23年度から27年度を計画期間とする第14次総合計画「はばたけ群馬プラン」に掲げる3つの基本目標である「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」、「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」、「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」を推進するための施策に取り組むこととして、一般会計において6,815億8,700万円、対前年度比2.3%増の議会提案を行ったところであります。
このような情勢下にあって、平成26年度本市の予算編成に当たっては、歳入に見合った歳出構造への転換が極めて重要であることから、行政改革をさらに推し進め、沼田市第五次総合計画に掲げる6つの施策の大綱を基本とし、合併10年後を見据えるとともに、後期実施計画における主要事務事業の推進を図るべく5つの施策を柱として掲げ、取り組むことといたしました。
第1が「安全・安心」、第2に「教育・文化」、第3に「健康・福祉」、第4に「産業・観光」そして第5が「エネルギー・環境」であります。従前にも増して市民との連携・協働を推し進め、創造性豊かで明るく元気なまちづくりを目指すものであります。
平成26年度の予算につきましては、国・県の財政及び施策の動向並びに本市を取り巻く地域経済動向などを見極めるとともに、厳しい本市の財政状況を深く認識し、行政経費の一層の節減合理化を進め、最小の経費で最大の効果を上げられるように努め、さらには、平成27年度からの合併算定替の縮減を見据えながら、基礎自治体としての責任をしっかりと認識し、引き続き簡素で効率的な行政システムの構築に向け、財政基盤の強化と持続可能な財政運営を念頭に予算編成を進めてまいりました。
具体的には、歳入につきましては、市税をはじめとして極力財源の確保に努めるとともに、義務的経費を含めた歳出全般の抜本的な見直しによる行政経費の節減、事務事業の総点検、行政目標の明確化などにより、総体的なスリム化と効率的な財源配分に配意してまいりました。また、市債についても合併特例債等の有利な起債を活用するとともに、将来世代への負担を考慮し、適正な起債発行に努め、効率的な財源配分に留意したものであります。
平成26年度予算編成方針のもと、編成をした一般会計予算の規模は、208億8,821万4,000円で、前年度当初予算と比較して4億4,894万7,000円、2.2%の増であります。これは、国の地方財政計画1.8%を0.4ポイント上回るものであります。
特別会計等を含めた8会計総体の予算規模は、350億6,593万6,000円で、前年度と比較して6億9,865万7,000円、2.0%の増であります。
予算の内容につきましては、現下の地域経済を反映して市税等の伸びが残念ながら厳しい状況下にあり、地方交付税については減額が見込まれる中、一方において経常経費である介護給付費などの医療関係費及び扶助費などの社会保障関係費が増大しております。また、国家的課題でもある放射性物質除染対策にも全力で取り組まなければなりません。このような中で極力その財源の確保を図り、優先主要事務事業を中心に5つの柱にそった事業を絞り込み、メリハリのある予算とするべく努めたものであります。
それでは、平成26年度予算の施策、5つの柱に沿って、主要事業について御説明申し上げます。
1つ目の柱である「安全・安心」に関する事業といたしましては、市制施行60周年の節目の年であることから記念式典事業、消防団機械器具置場等整備事業、路線バス・デマンド交通研究事業、都市計画区域等見直し事業、集落維持などをサポートする集落支援員事業、道路の安全確保として市道等改良事業、橋りょう補修事業、やさしさ・にぎわいの核整備事業及び中心市街地街なか再生関連推進事業を計上いたしました。
2つ目の柱である「教育・文化」に関する事業といたしましては、継続して行う小・中学校耐震診断・耐震補強事業、校舎等整備事業、文化財ガイド作成事業、運動公園野球場改修事業、水と緑の大地ふるさと寄附事業、生方記念文庫管理事業、県指定重要文化財旧沼田貯蓄銀行保存整備事業、川田運動広場維持管理事業、沼田市中学校国際交流事業、幼稚園指導事業を計上いたしました。
3つ目の柱である「健康・福祉」に関する事業といたしましては、急速に進行する少子化対策として、保育園及び幼稚園の第3子以降保育料等無料化、子どもの健やかな成長、発達を支援するためのつぼみサポート事業、高齢者への救急医療情報キット給付事業、金婚・ダイヤモンド婚慶祝事業、児童手当支給事業、放課後児童の安全・安心な居場所づくりとして学童クラブの充実を図る放課後児童健全育成事業、地域子育て支援拠点事業、予防接種事業、健康診査事業を計上いたしました。
4つ目の柱である「産業・観光」に関する事業といたしましては、農産物ブランド化事業、農産物第6次産業化推進事業、野猿対策調査事業、竹林整備促進事業、農業基盤整備促進事業追貝原地区、望郷ラインビューポイント整備事業、小規模農村整備事業、小規模土地改良事業高戸谷地区、ため池等整備事業、商店街まちづくり事業、グリーンベル21対策の課題解決に向けたまちづくり支援事業、歴史資源観光化推進事業を計上いたしました。
5つ目の柱である「エネルギー・環境」に関する事業といたしましては、県内を持ち回りで実施する花と緑のぐんまづくり推進事業、地域資源を活用した環境教育の環境啓発拠点として環境教育施設整備事業、放射性物質汚染対策事業、住宅用太陽光発電普及事業、廃棄物再生利用推進事業を計上いたしました。
なお、市制施行60周年記念事業として、記念誌の発行、原動機付き自転車オリジナルナンバープレート作成事業などのほか、既存事業に冠を付して年間を通じた取り組みを推進いたします。
これら「5つの柱」の主要施策を軸とし、大変厳しい財政状況でありますが、限られた財源の中で、市民生活に直結する事業を優先して行政需要に対応する各事業を計上したものであります。
「市民が健康で安心して、豊かに暮らせる地域社会の実現」これは、市民の皆さんの共通する願いであり、最も身近な基礎自治体である市の役割の原点であります。
時代は常に動き、社会や暮らし、経済は変わり続けています。
しかし、どのような状況になろうと、私はこの原点が市政運営の指針であると胸に刻み、これを市民の皆さんと共に追求し続けていくことが、使命であると信じております。こうした考えのもと、本市が大きく飛躍し、市民の皆さんのさらなる期待に応える市政の実現を目指し、市民の皆さんと手を携えながらその先頭にたって沼田の発展に向けて渾身の力を振り絞ってまいります。
長かった徳川幕藩体制が大きく動き、幕末から明治維新にかけて大活躍された幕末の志士、吉田松陰は、「夢なき者に理想なし」「理想なき者に計画なし」「計画なき者に実行なし」「実行なき者に成功なし」故に夢なき者に成功なしと言っております。さらに幕府による取り調べのために江戸へ移送されることになった時、故郷の萩に残した言葉があります。「至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり」即ち誠心誠意をもって人に接するならば、どんな局面であろうと事態は必ず善い方向に向かうものだということであります。
今日でもなおこの言葉が、私たち日本人の心の中に生き続けているのは、人間には常に崇高なものを求めようとする力が内在している証だと思います。
私は、この吉田松陰の名言を心に刻み、これまで以上に現地現場主義と愛郷無限の精神力で邁進し、引き続き市民の先頭にたって全身全霊で、市政運営にあたる所存であります。
去る2月15日未明の豪雪におそわれ、本市におきましても同日の午前6時に災害対策本部を設置し、これが対策に全庁あげて取り組んでまいりました。市民の皆さんに改めてお見舞いを申し上げますと共に、各関係機関の御指導、御支援に際しまして、重ねてお礼を申し上げます。
安全・安心のまちづくりは、全国各市町村の大きな目標であることは論を待ちません。改めてその認識を深めると共に、緊急・有事の災害対策はいつどこで何がおこるかわからないことを思い知らされました。
幸いなことに市民の皆さんの適切で冷静な判断のもと文字どおり自助、共助、公助の理念に基づいて大過なく解決に向かって進んでまいりましたことは、本市の人間力と団結力を示す何ものでもありませんでした。正に「至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり」の言葉のように各自が誰かれとなく全市民が誠心誠意、事態にあたっていただいた証左であったと確信するものであります。
先年も申し上げましたが、久しく続いた混沌の中にあって、その先にある社会の姿は「一人ひとりが輝く社会」でなければなりません。かつての良き伝統を大切にし、新しい価値を創造し、それが社会の連帯を支える。市民や地元企業が個性と才覚を最大限に発揮できる環境を整え、強い人が弱い人を助け、若者と高齢者が知恵と情報を伝え合う、そうした絆を沼田の隅々まで張り巡らせることを目標にしたいと考えています。
加速度的に進む少子高齢化社会の対応は、ひとえに行政と住民の信頼関係であり、団結につきると思います。
中山間地域に位置する本市を取り巻く状況は厳しく、依然として難しい行財政運営を強いられる状況下にありますが、将来に安心感を抱けるよう、明るく元気な地域社会を目指しながら、改良、改革の精神を基本に、一方において、時の情勢を的確に把握して内外に果敢に打って出る発信力も必要であります。
市民と行政が連携・協働し、お互いに知恵と工夫を出し合い、「活力」と「交流」のある、個性輝く沼田市の建設に向け手を携えて行かなければなりません。
改めて、未曾有の雪害にあたってきたこの尊い教訓を将来のために活かしていきたいと考えています。
そのためには、行政と市民が信頼し合える関係を構築しなければならないことは申すまでもありません。市民の知恵は広く深いことを認識し、中央における机上の論議の中のプランと異なり、生活感や地域の実情を踏まえた重みをまとう貴重な知恵や経験を点から線へ、そして面に広げていくことが重要であります。小規模でも身近な資源や人材を生かし、奪い合うのではなく、分け与え合う精神こそ地域再生の基軸であると考えます。正に、自助、共助、公助の実践であります。
このため私は、市民の皆さんの真摯な声や熱い思いを胸に刻み、市政を推進するうえでの車の両輪となる市議会の皆さんの御指導、御理解をいただきながら、力強い御支援を賜りますよう心よりお願い申し上げ、当初予算の方針と内容の説明といたします。
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