平成23年第1回定例会 本会議報告
会期:平成23年3月1日~22日
報告第1号 専決処分報告について(訴えの提起)
平成16年6月26日に発生した公用車による交通事故について、平成19年7月5日に提訴された「前橋地方裁判所沼田支部平成19年(ワ)第35号損害賠償請求事件」の判決が平成23年2月10日に言い渡されたが、市の主張が認められなかったことから、原判決を不服とし、更に相当な裁判を求め、東京高等裁判所に対して控訴したもの。
- 平成23年3月1日 承認
議案第1号 市道路線の認定について
今回認定する66路線のうち、塚田団地北線については、道路のご寄附をいただき認定するもの。また、沼須土地改良34号線及び沼須土地改良35号線については、県営畑地帯総合整備事業沼須地区により整備された道路を、下久屋土地改良線及び中河原土地改良線については、共同施行下久屋土地改良事業により整備された道路を、折越9号線については、県道平川横塚線幡谷橋架け替えに伴う旧県道を、中倉139号線外57路線については、県営畑地帯総合整備事業利根地区により整備された道路を、輪組281号線及び輪組282号線については、県代行事業市道輪組輪久原線道路改良工事に伴い整備された道路をそれぞれ認定するもの。
- 平成23年3月1日 原案可決
議案第2号 市道路線の変更について
今回変更する追墓河原線については、共同施行下久屋土地改良事業の完了により、また、追墓土橋線及び上原横塚線については、市道路線の見直しに伴う既存市道の起点及び終点を変更するもの。
- 平成23年3月1日 原案可決
議案第3号 市道路線の廃止について
今回廃止する54路線のうち、中河原支2号線外2路線については、共同施行下久屋土地改良事業により従前の市道がなくなったこと、また、4052号線外50路線については、県営畑地帯総合整備事業利根地区の事業完了によりそれぞれ廃止するもの。
- 平成23年3月1日 原案可決
議案第4号 沼田市部設置条例の一部を改正する条例について
改正の内容は、平成23年4月1日から実施する行政組織機構改革により、市長の権限に属する事務を分掌する部を、総務部、市民部、健康福祉部、経済部及び都市建設部の5部に改編することに伴い、関連する分掌事務を改めるもの。
また、関連する沼田市水道事業の設置等に関する条例について、附則により一部改正するもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第5号 沼田市中心市街地土地区画整理事業特別融資条例の一部を改正する条例について
改正の内容は、沼田市中心市街地土地区画整理事業の円滑な推進を図るため、特別融資対象者の制限を緩和し、活用を促すとともに、本事業の公平性を保つため、融資は事業につき1回限りとするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第6号 平成22年度沼田市一般会計補正予算(第6号)
今回の補正予算は、国県支出金の確定又は制度改正等により既定の予算に増減を生じるもの、特別な理由により緊急に対応する必要があるもの及び国の補正予算に基づく「円高・デフレ対策のための緊急総合経済対策」の趣旨に沿った事業に地域活性化交付金を財源として措置するとともに、平成22年度における最終補正として各事業を精査し、事業費の確定等による歳入歳出予算の整理を行ったもので、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1億9,697万9,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ206億3,632万1,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第7号 平成22年度沼田市国民健康保険特別会計補正予算(第4号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1億883万6,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ65億3,804万7,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第8号 平成22年度沼田市老人保健特別会計補正予算(第2号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ888万9,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ440万7,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第9号 平成22年度沼田市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1,338万6,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ5億696万円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第10号 平成22年度沼田市介護保険特別会計補正予算(第5号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ215万4,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ37億6,621万4,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第11号 平成22年度沼田市簡易水道事業特別会計補正予算(第4号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ2,195万円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ3億6,963万1,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第12号 平成22年度沼田市下水道事業特別会計補正予算(第5号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ891万8,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ17億2,068万9,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第13号 平成22年度沼田市農業集落排水事業特別会計補正予算(第5号)
今回の補正予算は、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ4万8,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ1億6,052万4,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第14号 平成22年度沼田市水道事業会計補正予算(第4号)
今回の補正予算は、予算第3条収益的収入及び支出において、既決の収益的収入に46万8,000円を追加し、収益的収入の予定額を4億1,235万3,000円とし、既決の収益的支出から135万円を減額し、収益的支出の予定額を3億5,050万円とするもの。
また、予算第4条資本的収入及び支出において、既決の資本的収入から3,392万3,000円を減額し、資本的収入の予定額を5,777万2,000円とし、既決の資本的支出から1,670万円を減額し、資本的支出の予定額を1億4,868万3,000円とするもの。
- 平成23年3月10日 原案可決
議案第15号 沼田市出産祝金支給条例を廃止する条例について
本条例は、第3子以上の出産に際し、出産祝金を1人につき20万円支給することにより、誕生を祝い、出産を奨励することを目的として、平成17年2月に制定したが、平成23年度に向けた沼田市行財政改革の取り組みについての事務事業の見直しにより、出産祝金支給事業については、子ども手当の創設や公平感を鑑み、廃止することとしたため、本条例を廃止するもの。
なお、施行期日については、周知期間を3カ月間設けて平成23年7月1日とするもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第16号 沼田市特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例の一部を改正する条例について
改正の内容は、現下の厳しい財政状況を踏まえ、今年度に引き続き、平成23年4月1日から平成24年3月31日の間、市長及び副市長の給料を現行の給料額から市長にあっては16%、副市長にあっては13%引き下げ、それぞれ71万5,000円、60万6,000円とするもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第17号 沼田市教育委員会教育長の給与その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例について
改正の内容は、議案第16号と同様、教育長の給与について、現行の給料額を今年度に引き続き10%引き下げ、56万7,000円とするもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第18号 沼田市社会体育施設設置及び管理条例の一部を改正する条例について
改正の内容は、利根温水プールの施設形態を、加温しない常水温のプールに変えることに伴うもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第19号 平成23年度沼田市一般会計予算
予算の総額は、202億4,081万5,000円で、前年度当初予算と比較して0.4%、7,524万5,000円の減。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第20号 平成23年度沼田市国民健康保険特別会計予算
予算の総額は、65億8,711万7,000円で、前年度当初予算と比較して0.4%、2,914万2,000円の増。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第21号 平成23年度沼田市後期高齢者医療特別会計予算
予算の総額は、5億3,123万4,000円で、前年度当初予算と比較して4.3%、2,208万円の増。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第22号 平成23年度沼田市介護保険特別会計予算
予算の総額は、36億3,587万1,000円で、前年度当初予算と比較して0.4%、1,393万8,000円の減。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第23号 平成23年度沼田市簡易水道事業特別会計予算
予算の総額は、3億2,319万6,000円で、前年度当初予算と比較して8.7%、3,087万1,000円の減。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第24号 平成23年度沼田市下水道事業特別会計予算
予算の総額は、17億2,994万7,000円で、前年度当初予算と比較して0.3%、445万4,000円の増。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第25号 平成23年度沼田市農業集落排水事業特別会計予算
予算の総額は、1億6,357万7,000円で、前年度当初予算と比較して2.4%、383万4,000円の増。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第26号 平成23年度沼田市水道事業会計予算
予算の総額は、5億3,515万6,000円で、前年度当初予算と比較して1.6%、856万8,000円の増。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第27号 沼田市固定資産評価審査委員会の委員選任の同意について
任期満了による、後任委員選任の同意。
- 平成23年3月22日 同意
議案第28号 沼田市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について
前年度に引き続き、平成23年4月1日から、現任期である本年4月29日まで、議員報酬額を引き下げるもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第29号 沼田市議会委員会条例の一部を改正する条例について
沼田市部設置条例の一部改正に伴い所管事項を、改選に伴い委員定数を、それぞれ改めるもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第30号 沼田市議会会議規則の一部を改正する規則について
改選後の議員定数が22となることから、会議における異議、賛成等に係る議員の必要数について所要の改正を行うもの。
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第31号 年金制度改革に関する意見書案について
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第32号 義務教育費国庫負担制度の堅持と国負担割合2分の1復元を求める意見書案について
- 平成23年3月22日 原案可決
議案第33号 公契約法の制定を求める意見書案について
- 平成23年3月22日 原案可決
請願第2号 全額国庫負担の「最低保障年金制度」創設を政府に求める請願(継続審査)
- 平成23年3月22日 趣旨採択
請願第1号 義務教育費国庫負担制度を堅持するとともに、国負担割合を2分の1に復元することを求める意見書の採択に関する請願書
- 平成23年3月22日 採択
請願第2号 公契約に係る事業の質の確保及び当該事業に従事する労働者の雇用の安定と適正な賃金・労働条件の確保を図るため、「公契約法」の制定に関する意見書の採択を求める請願
- 平成23年3月22日 採択
請願第3号 公契約に係る事業の質の確保及び当該事業に従事する労働者の雇用の安定と適正な賃金・労働条件の確保を図るため、「公契約条例」の制定を求める請願
- 平成23年3月22日 趣旨採択
請願第4号 公契約で働く人の「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」を実現し、経済成長につなげる「公契約基本法」の制定を求める意見書採択についての請願
- 平成23年3月22日 みなす採択
請願第5号 愛護動物に関する請願書
- 平成23年3月22日 一部採択
施政方針
平成23年第1回沼田市議会定例会の開会に当たりまして、平成23年度各会計予算並びに関係諸議案の大要と市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民皆様方の深いご理解とご協力を賜りたいと存じます。
平成23年度は、合併後7年目に当たるとともに、沼田市第五次総合計画前期の最終年次である第5年次となります。将来像とする「水と緑の大地 田園空間都市」を目指して、市民福祉のより一層の向上と行財政基盤の確立を基本とし、住民生活の維持改善を優先配意しつつ将来にわたって持続可能な行財政運営を図るものであります。市民の要請を的確に把握し、市民一人ひとりが心身ともに充実した元気で明るい地域社会の実現に向けて、努力を傾注するものであります。
今次の地方財政は、企業収益の回復等により、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が増加する見込みでありますが、社会保障関係経費の自然増や公債費負担が高い水準で推移すること等により、給与関係経費が大幅に減少してもなお依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれております。
一方、国の示す平成23年度予算編成の基本方針においては、「経済成長」「財政健全化」及び「社会保障改革」を一体的に実現し、「成長と雇用」の実現、デフレ脱却への道筋、国民の生活を第一に、元気な日本を復活させるための財政運営戦略を示しております。地方に対しては、義務的経費の増加に対応する地方財源の確保を含め、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額について、実質的に平成22年度の水準を下回らないよう地方交付税総額を確保することで、地域経済を支え地域の活力を回復させていくこととしております。
先般の国勢調査結果から本市においても人口減少が止まらず、少子高齢化が進行しているところでありますが、基礎自治体として真に自立し、地域の諸課題に主体的、積極的に取り組み、市民に対する責任を果たしていくことこそが行政の役割であり、「地域主権」の目指すところであります。
市民生活を第一に、内にあっては人材育成と質素倹約を旨とし、組織機構については、時代背景を捉え、子ども課、観光交流課などの組織改革を図り、原点を見つめ内外に向かって沼田の力を発信し、都市間交流のさらなる深化を図ります。本市は、他市にない全国植樹祭や全国育樹祭を大成功に導いた貴重な実績と成果を上げてまいりました。したがって森林文化都市の特性を活かし、実効性のある環境政策の推進と「歴史と自然が息づく」活力ある諸事業を積極的に展開し、市民協働による創造性豊かで明るく元気なまちづくりへの取り組みを着実に進めるものであります。
「平成23年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によれば、平成22年度の我が国経済は、足踏み状態にあるが、今後は踊り場を脱する動きが進む一方、物価の動向を見ると、緩やかなデフレ状況が続いており、消費者物価は2年連続の下落、需要と供給のギャップ、供給超過の縮小により下落幅は縮小し、国内総生産の実質成長率、名目成長率はともに小幅ながらプラス成長を見込んでおります。
政府の新成長戦略においては、3段構えの経済対策として、ステップ1では、平成22年度経済危機対応・地域活性化予備費を活用した緊急的対応、ステップ2では緊急総合経済対策の補正予算として、地域活性化交付金、きめ細かな交付金と住民生活に光をそそぐ交付金を確保し、予算、税制、規制・制度改正による一体的取り組みを政策手段としております。そして、ステップ3が平成23年度予算であります。
平成23年度予算において、政府は新成長戦略の本格実施を図るとし、世界の潮流からみて高いレベルの経済連携を進め、必要な国内改革を先行的に推進し、総合特区制度、医療の実用化促進のための医療機関の選定制度、新しい公共の活動を支える制度等について着手することとしております。国内投資の促進や、金融の円滑化を含めた施策を推進し、企業・産業の活力を向上させ、新たな雇用の創造を図るとし、平成22年度補正予算と平成23年度予算を一体として切れ目なく執行することとしております。
地域主権型社会を構築するためには、個々人の生活とともにエネルギーや食料の供給構造も考慮した地域主権改革を目指す必要があることから、国は「地域主権戦略大綱」を踏まえ、それぞれの地域が協働・連携した、自然環境、食料、再生可能エネルギー、歴史文化資産等の地域内資源を最大限活用し、地域の活性化、地産地消、地域の自給力を高める、「緑の分権改革」への配慮を地方の予算編成に当たって求めております。
一方、群馬県においては、財政状況は引き続き厳しい状況にあるが、事業の見直しや行財政改革を徹底し、必要な財源を捻出することで、明るさが見えてきた経済や県民の暮らしの安全・安心をより着実に前進させるため、必要な政策課題に積極的に対応する予算として、県政改革の一層の推進、県民生活の安心・安全の確保及び県内経済の活力向上の3つの柱を据えて、総額6,702億円の予算を提案したところであります。
このような情勢下にあって、平成23年度本市の予算編成に当たっては、歳入に見合った歳出構造への転換が極めて重要であることから、総体的なスリム化を図り、沼田市第五次総合計画に掲げる6つの施策の大綱を基本とし、行財政改革を基軸に本市の特性を生かした地域主権型社会を目指し、5つの施策を柱として掲げ、取り組むことといたしました。
第1が「環境・交流」、第2に「教育・文化」、第3に「健康・福祉」、第4に「産業・観光」そして第5が「安全・安心」であります。市民との連携・協働をおし進め、地域主権の確立に向け創造性豊かで明るく元気なまちづくりを目指すものであります。
今回の予算につきましては、本市の財政状況が、歳入の根幹をなす市税については地域経済動向を反映して伸びが期待できず、またもう一方の柱である地方交付税についても、総体的には前年度に比し増加が示されているものの、必然的に増加する行政需要を支えるには厳しく、引き続き簡素で効率的な行政システムの構築に向け、財政基盤の堅実・強化と持続可能な財政運営を念頭に予算編成を進めてまいりました。
具体的には、歳入の確保のため市有財産の有効活用を図る一方、義務的経費を含めた歳出全般の抜本的な見直しによる行政経費の節減、事務事業の全面点検、補助金の見直し、人件費の削減、行政目標の明確化と行政評価システムの運用とともに、一般財源枠配分方式による予算編成に処し、総体のスリム化を図る中で、一般財源の削減を図りました。また、財政運営の指針となる「経常収支比率」を念頭に、物件費などの消費的経費はもとより、人件費などの義務的経費を含めた歳出全般の見直し等により、更なる経常経費の抑制に努め、市債についても「公債費負担適正化計画」にそって全庁的な起債発行の抑制に努め、必要に応じた事業選択、効率的な財源配分に留意したものであります。
平成23年度予算編成方針のもと、編成をした一般会計予算の規模は、202億4,081万5,000円で、前年度当初予算と比較して7,524万5,000円、0.4%の減であります。特別会計等を含めた8会計総体の予算規模については、337億4,691万3,000円で、前年度と比較して6,122万8,000円、0.2%の減としたところであります。
予算の内容につきましては、現下の地域経済を反映して市税等の伸びは期待できず、地方交付税についても微増はあるものの、ほぼ昨年と同額の横ばい程度の見込みの中、子ども手当てや介護給付費、予防接種などの医療関係費及び扶助費などの社会保障関係費が増大しております。このような中で予算全体における投資的経費の財源が厳しい状況でありますが、極力その財源の確保を図り、優先主要事務事業を中心に、5つの柱にそった事業を絞り込み、メリハリのある予算とするべく努めたものであります。
また、今回国が編成した平成22年度補正予算の地域活性化交付金事業につきましては、本市として最大限の活用をし、新年度予算からの前倒しとして補正予算を計上し、一体のものととらえております。
それでは、平成23年度予算の施策、5つの柱にそって、それぞれの柱の主要事業についてご説明申し上げます。
1つ目の柱である「環境・交流」に関する事業といたしましては、新規事業で畜産関係における地域環境の保全を目的とした畜産経営環境事業を計上。一部拡充事業として環境啓発事業、地域づくり活性化事業のほか、生活雑排水の環境保全対策として合併処理浄化槽設置整備事業、農用地の環境保全を推進するための農地・水・農村環境向上対策事業、真田を中心とするさらなる地域連携と交流を進めるための真田街道連携事業を計上。そのほか交流と協働を深化させるための都市間交流事業や国際交流事業、市民協働推進事業、市民活動センター管理運営事業、地域特性や相互理解を深め活性化等につなげるための準市民交流事業や地域大学連携事業、中学生国際交流事業を計上。地球環境にやさしい太陽光の促進利用を図るための住宅用太陽光発電普及事業や住宅用太陽熱利用促進事業を計上。資源の再利用を図るための分別収集再商品化委託事業や廃棄物再生利用推進事業を計上。さらにゴミ収集作業委託事業、農業集落排水事業特別会計繰出金及び下水道事業特別会計繰出金などを計上するものであります。
2つ目の柱である「教育・文化」に関する事業といたしましては、新規事業で4年に一度改訂される教科書改訂に伴う教材等購入事業、街なか整備事業と関連する生方記念文庫移転事業を計上。一部拡充事業として、県指定重要文化財旧沼田貯蓄銀行保存整備事業、新年度から学校給食の調理及び配送業務を民間委託するための沼田給食センター管理費を計上。そのほか小中学校におけるコンピュータ関係管理事業、自然とのふれあいを学び森林や林業への理解を深めるための緑の少年団事業、英語教育の充実を図るための外国語指導助手設置事業、児童生徒が学校生活を円滑に過ごせるよう支援するための学校教育支援事業、有能な人材育成を図るための奨学金貸付事業など、さらに社会教育として生涯学習推進費や市民文化の向上を図るための芸術文化振興事業や伝統芸能発表会事業、図書資料購入事業や視聴覚資料購入事業、読書活動の充実により子どもの健全な発達を図るための子ども読書推進事業、社会体育の充実を図るための保健体育総務管理事業などを計上するものであります。
3つ目の柱である「健康・福祉」に関する事業といたしましては、新規事業で地域福祉計画策定事業を計上、生活困窮者に対する就労支援として生活保護就労支援事業を計上。さらに一部拡充事業として、保育料軽減の拡充措置、従来の予防接種に加え、この3月から子宮頸ガンワクチン等の接種が実施され、これらの充実を図るための予防接種事業をはじめ、県が進める地域介護・福祉空間等補助事業、障害者への支援としての地域活動支援センター事業や介護給付事業、一人親家庭の福祉の充実と自立支援を行うための母子福祉推進事業、子ども手当支給事業、子育てや民間保育所の支援のための地域子育て支援拠点事業や保育所運営委託事業、保育充実促進事業、保育ニーズに対応するための保育対策等促進事業費補助事業、学童クラブ等への支援として放課後児童健全育成事業、自立支援のための扶助費を計上。そのほか子育て・健康増進のための母子保健相談事業やがん検診事業、さらに、老人保護措置事業、福祉医療費、介護保険特別会計繰出金、国民健康保険特別会計繰出金などを計上するものであります。
4つ目の柱である「産業・観光」に関する事業といたしましては、新規事業で本年群馬県全体で実施される観光宣伝事業であります群馬デスティネーション・キャンペーン宣伝事業を計上。さらに農業振興対策として、農業者戸別所得補償制度事業、農業農村応援事業、農業基盤の整備として小規模土地改良事業、さらに5年に一度実施される都市計画基礎調査事業を計上。一部拡充事業として積極的な企業誘致の推進を図るための助成制度の新設を行う企業誘致推進事業や制度融資保証料補助事業の計上をはじめ、ご当地グルメの開発と研究を支援するためのB級グルメ研究事業、玉原高原内諸施設維持管理事業、畜産対策振興事業、林業振興として森林整備担い手対策事業や森林整備事業を計上。そのほか街なかの整備促進として中心市街地土地区画整理事業や中心市街地街なか再生関連推進事業、本市の観光PRや誘客等を図るための観光宣伝事業や首都圏物産宣伝事業、観光施設維持管理事業、雇用支援対策事業や林道改良事業、地場産業育成事業などを計上するものであります。
5つ目の柱である「安全・安心」に関する事業といたしましては、新規事業で沼田中学校の耐震改修のための実施設計費として中学校耐震診断・耐震補強事業を計上。市営住宅の整備改修を図るための市営住宅長寿命化改善事業、災害等に備えるための小規模土地改良事業や用水の安定供給を図るための農村地域環境保全整備事業を計上。一部拡充事業として、沼田小学校屋内運動場の耐震補強事業として小学校耐震診断・耐震補強事業を計上。有害鳥獣の対策として鳥獣対策事業を、生活道路等の安全確保や安全対策として道路維持事業、道路補修事業、防護柵・標識等設置事業を計上。ため池の安全確保を図るためのため池等整備事業、防災情報等の充実を図るための防災管理事業、自殺予防として地域自殺対策緊急強化事業を計上するものであります。そのほか防犯・防災対策等として防犯対策事業や住宅・建築物耐震改修等事業、非常備消防管理事業を計上し、さらに、道路除雪事業や建築指導費、民有林治山事業、市町村乗合バス運行事業などを計上するものであります。
これら「5つの柱」の主要施策を基軸とし、大変厳しい財政状況でありますが、限られた財源の中で、市民生活に直結する事業を優先して行政需要に対応する各事業予算を計上したものであります。
今次、国際情勢も含め内外ともに政治経済状況は、不安定で先行き不透明な激動の時代でありますが、基礎自治体にあっては市民福祉の向上を目指すという市政運営の基本理念は変わらないものであります。
イギリスの近代政治学者であるエドマンド・バークはこう語っております。「長年の歴史の中で蓄積されてきた社会的経験知や良識、伝統とともに、複雑に入り組んだ社会の中で、着実に合意形成をしていくプロセスを重視する。大切なものを守るためには、時代に応じて変わっていかなければならない。時代状況により政治の適正規模を見極め、経験知とバランス感覚で運営していくべきである。」と。
まちづくりの基本は、古今東西を問わず、人づくりであることは論をまちません。市政運営に当たっては人材育成を基本に、先人が築いてきた伝統や知恵に学び、かけがえのない歴史・文化を活かし、市民参加と協働を通じてお互いの信頼関係を深めてまいります。民間団体、NPO、個人、市行政を問わずさまざまな主体が、さまざまな関わり合いの中で、活力あるコミュニティの構築に努め、安定した社会の実現を目指します。市民がお互いに信頼しあい、相互理解のもとに穏健で漸進的な行政運営が重要であると考えます。
中山間地域に位置する本市を取りまく状況は厳しく、依然として難しい行財政運営を強いられる状況下にありますが、将来に安心感を抱けるよう、明るく元気な地域社会を目指して改善改良の精神で内外に打って出る発信力も必要であります。
市民と行政が連携・協働し、お互いに知恵と工夫を出し合い、「活力」と「交流」のある、個性輝く沼田市の建設に向け、市民とともに手を携えていかなければなりません。
本年はデスティネーション・キャンペーンと連携しながら、真田氏をはじめとするかけがえのない歴史的価値を活かし、埋もれている観光資源の掘り起こしに努め、地域活性化を図ってまいりたいと考えております。
加速度的に進む少子高齢社会の到来は、待ったなしであり、社会的弱者に思いをいたすとき、地域で支え合う協働型福祉社会の構築に向け、市民の皆さんとともに努力傾注してまいりたいと考えております。
これを実現するためには、生涯学習の充実を図るなかで、子どもから高齢者まで全市民が一緒になって、「学び、考え、行動すること」を期待するところであります。今こそ、市長自ら市政執行の先頭に立ち、職員と一丸となって対応してまいる所存であります。
議員各位におかれましては、力強いご指導とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げ、当初予算の方針と内容の説明といたします。
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