群馬県指定史跡 奈良古墳群
群馬県指定史跡 奈良古墳群
奈良古墳群は沼田市奈良町に位置する古墳時代終末期の群集墳です。昭和55年8月30日に沼田市史跡に指定され、平成15年度に古墳群東側の主要部分約3.6万平方メートルが公有地化されています。令和2年2月21日、群馬県によりその歴史的価値が認められ、約3万平方メートルが県史跡に指定されました。
奈良古墳群の歴史的価値
(1)奈良古墳群は、保存状態が良好な北毛(利根・沼田)地区を代表する群集墳です。
(2)馬具の副葬が顕著であることは、奈良古墳群を造営した集団が馬の生産に関与していた可能性を示しています。 また、7世紀に入って突如として形成されることから、古代東日本で有数の馬生産地域だった上野において、この時期に馬生産が一段と拡大していたことを物語っています。奈良古墳群は、古代群馬の馬生産の展開を示す重要な群集墳であり、群馬県の古墳時代終末期の歴史を知る上で欠かせない学術的価値の高い史跡と言えます。
奈良古墳群の概要
古墳の内容
奈良古墳群は、沼田市奈良町に所在し、薄根川右岸の河岸段丘上に立地する13基からなる群集墳です。昭和30年の群馬大学の調査では、古墳の痕跡と推測されるものも含めて59基の分布が確認されましたが、開田事業により、多くの小規模古墳が破壊されました。また、平成11年には土地改良事業に伴い9基の古墳が発掘調査されました。古墳の構造は、いずれも埋葬施設として横穴式石室をもつ円墳と考えられ、墳丘(盛土)は開墾により削り取られた部分が多く、石室のほとんどは露出・開口しています。
出土遺物の内容
開墾時の採集あるいは発掘調査による出土遺物は馬具類が充実している点が特徴で、古墳群を形成した集団は馬の生産に関わっていた可能性が高いと考えられています。これらの出土遺物280点が昭和52年に市の重要文化財に指定されました。
古代群馬の馬生産
日本社会への馬導入は、古墳時代中頃から始まりましたが、榛名山東南麓地域は東国有数の馬生産地でした。馬は古墳時代にあっては権力者の権威の象徴でしたが、7世紀後半以降の律令国家にとっては中央と地方を結ぶ情報伝達手段として、また東北政策のため軍馬として重要でした。奈良古墳群の存在は、7世紀に馬の生産地が群馬県北部(利根・沼田)地域にまで拡大したことを示すとともに、日本社会における馬需要の増大と国家的生産体制が整備されていく状況を示しています。
奈良古墳群散策マップ
奈良古墳群紹介動画
PDF形式のファイルをご利用になるには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方は、Adobeのサイトからダウンロード(無償)してください。Adobeのサイトへ新しいウィンドウでリンクします。
ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
教育部 文化財保護課 文化財保護係
〒378-8501 群馬県沼田市下之町888番地
電話:0278-23-2111(代表) ファクス:0278-23-7566
お問い合わせは専用フォームをご利用ください