平成25年第1回定例会 本会議報告
会期:平成25年3月1日~22日
議案第1号 市道路線の認定について
認定する3路線のうち、上原14号線及び道祖神27号線については、宅地造成に伴い新設された道路をご寄付いただき、市道認定するもの。
また、橫塚中央線については、県道冨士山橫塚線のバイパス工事が完了した後も旧道部分が二重認定されていたが、県の道路管理見直しに伴い、横塚中央線として市道認定するもの。
- 平成25年3月1日 原案可決
議案第2号 市道路線の変更について
変更する輪組198号線については、利根町輪組地内で行われている県代行事業市道輪組輪久原線道路改良工事の整備に伴い、起点の変更を行うもの。
- 平成25年3月1日 原案可決
議案第3号 市道路線の廃止について
廃止する輪組199号線については、利根町輪組地内で行われている県代行事業市道輪組輪久原線道路改良工事の整備に伴い、路線区域が重複するため廃止するもの。
- 平成25年3月1日 原案可決
議案第4号 沼田中学校改築事業第1期校舎A・C棟建築工事請負契約の変更について
建築工事の施工を進める中で、土工事及び内部造作工事等に関し、設計変更が生じたため、その工事費について、既定の契約金額に202万6,500円を追加し、契約金額を2億2,147万6,500円とするもの。
- 平成25年3月1日 原案可決
議案第5号 沼田中学校改築事業第1期校舎B・D棟建築工事請負契約の変更について
建築工事の施工を進める中で、土工事及び内部造作工事等に関し、設計変更が生じたため、その工事費について、既定の契約金額に6万3,000円を追加し、契約金額を2億586万3,000円とするもの。
- 平成25年3月1日 原案可決
議案第6号 沼田市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「介護保険法」の一部が改正されたことにより、これまで国が一律に定めていた地域密着型サ-ビス事業の基準等を地方自治体の条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第7号 沼田市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「介護保険法」の一部が改正されたことにより、これまで国が一律に定めていた地域密着型介護予防サ-ビス事業の基準等を地方自治体の条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第8号 沼田市新型インフルエンザ等対策本部条例の制定について
病原性が高い新型インフルエンザや同様の危険性のある新感染症が発生したときに、国民の生命及び健康を保護し、国民生活や国民経済に及ぼす影響を最小限に抑えることを目的として、平成24年5月11日に「新型インフルエンザ等特別措置法」が公布されたことに伴い、同法の規定に基づき制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第9号 沼田市くらしの環境美化条例の制定について
一部の場所でポイ捨てや犬猫のふんが放置され、良好な生活環境が損なわれている実情があることから、市、市民、事業者等が連携・協力して市内の環境美化に取り組むことで良好な生活環境の保全を推進することを目的として制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第10号 沼田市道路の構造の技術的基準に関する条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「道路法」の一部が改正されたことにより、市道の構造の一般的技術的基準については、道路管理者が条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第11号 沼田市道路標識の寸法を定める条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」施行に伴い、「道路法」の一部が改正されたことにより、市道に設ける道路標識のうちの案内標識及び警戒標識並びにこれらに附置される補助標識の寸法については、道路管理者が条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第12号 沼田市移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化に関する法律」の一部が改正されたことにより、移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準のうち、市道に係る基準については、道路管理者が条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第13号 沼田市準用河川における管理施設等の構造に関する条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「河川法」の一部が改正されたことにより、河川管理施設等の構造について河川管理上必要とされる技術的基準については、河川管理者が条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第14号 沼田市営住宅等の整備に関する基準を定める条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「公営住宅法」の一部が改正されたことにより、市営住宅等の整備基準については、事業主体である地方公共団体が条例で定めることとなったため制定するもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第15号 沼田市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の一部を改正する条例について
長期継続契約を締結できる対象として公用車を追加するため改めるもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第16号 沼田市保健福祉センターの設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例について
「障害者自立支援法」の一部改正に伴い、語句及び引用条項の整備を行うもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第17号 沼田市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の一部が改正されたことにより、一般廃棄物処理施設に置く技術管理者の資格に関する基準については、地方公共団体が条例で定めることとなったため改めるもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第18号 沼田市企業誘致推進条例の一部を改正する条例について
低開発地域工業開発地区及び農村地域工業等導入地区における固定資産税の課税免除について、租税特別措置法の規定を引用していたものから、条文中に要件等を明記する形に改めるもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第19号 沼田市公民館設置条例の一部を改正する条例について
沼田市利根公民館を利根町振興局庁舎へ移転することに伴い、沼田市利根公民館の位置の表示について改めるもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第20号 沼田市民体育館の設置及び管理条例の一部を改正する条例について
プロスポーツによる市民体育館の使用を可能とするため、営利を図る目的での使用の制限に係る条項を削除し、使用者が入場料を徴収し、または営利目的で利用する際の使用料を新たに設定するため改めるもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第21号 旧退隠料条例の規定による退隠料の年額改定等に関する条例を廃止する条例について
遺族扶助料受給者の死亡により、平成24年度から受給対象者がいなくなったことから廃止するもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第22号 平成24年度沼田市一般会計補正予算(第5号)
国県支出金の確定又は制度改正等により既定の予算に増減を生じるもの、特別な理由により緊急に対応する必要があるもの等について措置するとともに、平成24年度における最終補正として各事業を精査し、事業費の確定等による歳入歳出予算の整理を行ったもので、既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1億8,833万1,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ218億5,385万6,000円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第23号 平成24年度沼田市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億1,099万9,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ67億7,285万5,000円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第24号 平成24年度沼田市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ2,383万7,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ5億7,028万円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第25号 平成24年度沼田市介護保険特別会計補正予算(第4号)
既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1,380万2,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ42億622万円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第26号 平成24年度沼田市簡易水道事業特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1,022万3,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ3億4,706万円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第27号 平成24年度沼田市下水道事業特別会計補正予算(第3号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ8,988万1,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ15億8,685万5,000円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第28号 平成24年度沼田市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)
既決の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ144万1,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ1億6,457万9,000円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第29号 平成24年度沼田市水道事業会計補正予算(第3号)
予算第3条 収益的収入及び支出において、既決の収益的支出から1,023万7,000円を減額し、収益的支出の予定額を3億5,045万9,000円とするもの。
また、予算第4条 資本的収入及び支出において、既決の資本的収入から1,123万4,000円を減額し、資本的収入の予定額を2,038万1,000円とし、既決の資本的支出から2,000万円を減額し、資本的支出の予定額を1億4,233万4,000円とするもの。
- 平成25年3月12日 原案可決
議案第30号 沼田市小水道条例の制定について
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い、「水道法」の一部が改正され、飲用の井戸、水道法の規制対象とならない給水人口30人から100人までの小水道の衛生対策に必要な事務は、市が行うこととなったため、その事務について、必要な事項を定めるもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第31号 沼田市鳥獣被害対策実施隊に関する条例の制定について
「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」第9条第1項の規定に基づき、沼田市鳥獣被害対策実施隊を設置し、本市における農作物等の更なる被害縮小を図るため、その組織及び運営に必要な事項を定めるもの。
また、鳥獣被害対策実施隊員の報酬について定めるため、附則において、沼田市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例を改めるもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第32号 沼田市都市の低炭素化の促進に関する法律関係手数料条例の制定について
「都市の低炭素化の促進に関する法律」の施行に伴い、特定行政庁は「低炭素建築物新築等計画の認定」をすることができるとされたため、その認定手数料の徴収について、必要な事項を定めるもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第33号 沼田市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について
利根町の区域における集落の維持及び活性化対策の推進を図るため設置する沼田市集落支援員の報酬について定めるため、別表を改めるもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第34号 沼田市特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例の一部を改正する条例について
平成25年4月1日から平成26年3月31日の間、市長及び副市長の給料を現行の給料額から市長にあっては16%、副市長にあっては13%引き下げ、それぞれ71万5,000円、60万6,000円とするもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第35号 沼田市教育委員会教育長の給与その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例について
平成25年4月1日から平成26年3月31日の間、教育長の給与について、現行の給料額を今年度に引き続き10%引き下げ、56万7,000円とするもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第36号 平成25年度沼田市一般会計予算
予算の総額は、204億3,926万7,000円で、前年度当初予算と比較して0.6%、1億2,658万8,000円の減。
- 平成25年3月22日 修正可決
議案第37号 平成25年度沼田市国民健康保険特別会計予算
予算の総額は、66億3,762万3,000円で前年度当初予算と比較して0.5%、3,627万2,000円の増。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第38号 平成25年度沼田市後期高齢者医療特別会計予算
予算の総額は、5億6,828万1,000円で、前年度当初予算と比較して4.3%、2,542万7,000円の減。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第39号 平成25年度沼田市介護保険特別会計予算
予算の総額は、41億2,569万2,000円で、前年度に比較して4.9%、1億9,265万4,000円の増。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第40号 平成25年度沼田市簡易水道事業特別会計予算
予算の総額は、3億4,599万4,000円で、前年度当初予算と比較して3.0%、1,057万円の減。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第41号 平成25年度沼田市下水道事業特別会計予算
予算の総額は、16億1,352万5,000円で、前年度当初予算と比較して3.9%、6,628万円の減。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第42号 平成25年度沼田市農業集落排水事業特別会計予算
予算の総額は、1億6,259万2,000円で、前年度当初予算と比較して1.8%、300万8,000円の減。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第43号 平成25年度沼田市水道事業会計予算
予算の総額は、4億7,430万5,000円で、前年度当初予算と比較して9.6%、5,059万5,000円の減。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第44号 平成24年度沼田市一般会計補正予算(第6号)
国の平成24年度補正予算(第1号)に計上された公共事業等に該当するものに限定し、既決の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ4億4,532万8,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ222億9,918万4,000円とするもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第45号 沼田市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について
平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間、現行の議員報酬額を議長にあっては10%、副議長にあっては8%、議員にあっては5%引き下げ、それぞれ38万3,000円、33万円、32万2,000円とするもの。
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第46号 B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書案について
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第47号 「こころの健康を守り推進する基本法(仮称)」の制定を求める意見書案について
- 平成25年3月22日 原案可決
議案第48号 年金2.5%削減の中止を求める意見書案について
- 平成25年3月22日 原案可決
請願第5号 B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書採択の請願
- 平成25年3月22日 採択
請願第1号 「こころの健康を守り推進する基本法(仮称)」の制定を求める意見書提出に関する請願書
- 平成25年3月22日 採択
請願第2号 年金2.5%削減の中止を求める意見書の請願
- 平成25年3月22日 採択
施政方針
まず、平成25年第1回沼田市議会定例会の開会に当たりまして、平成25年度各会計予算並びに関係諸議案の大要と市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民皆様方の深いご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年の12月には衆議院議員選挙の改選に伴い新政権が誕生いたしました。このことによって地方自治体は、また大きな歴史のうねりの中に、好むと好まざるとにかかわらず、現実に真摯に対応していかなければなりません。どのような状況になろうとも基礎自治体の宿命は、常に地域住民の目線に立って、地域住民の生活の安全・安心のために努力しなければならないことは、古今東西を問わず変わらぬものと考えているところであります。
また、一昨年3月11日に発生した東日本大震災によりまして被災された方々や被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
平成25年度は、合併後9年目を迎えるとともに、「水と緑の大地 田園空間都市」を将来像とする、沼田市第五次総合計画の後期実施計画の2年次に当たることから、その進捗を図るため、市民福祉の向上と行財政基盤の確立を基本とし、将来にわたって持続可能な行財政運営を確保するものであります。さらに多様化する市民ニーズを的確に把握し、市民一人ひとりが心身ともに充実した元気で明るい地域社会の実現に向けて、一層の努力を傾注しなければなりません。国の示す平成25年度予算編成の基本方針においては、我が国経済を再生させ、「誇りある日本」を取り戻すため、東日本大震災からの復興を大きく前進させるとともに、長引く円高・デフレ不況からの脱却を図るべく、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を一体として実行していくこととし、平成24年度の緊急経済対策を盛り込んだ大型補正予算と合わせて、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化するとの方針に基づいて、切れ目のない経済対策を実行し、雇用と所得が拡大していく強い経済を目指すとしております。
また、地方に対しては「平成25年度地方財政対策」において、いわゆる「15カ月予算」の考え方に即して、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう、平成24年度においては、補正予算に伴う地方負担について適切な措置を講じるとともに、平成25年度においては、地方交付税等の一般財源総額について、平成24年度地方財政計画と同水準を確保することとしております。
私たちの地域社会は岐路に立っている大きな要因として、本格的な人口減少の始まりが全国的な傾向である中山間地域において顕著にみられ、しかも、かねてからの高齢化社会の進展とからみ問題をより深刻化していることは内外が示すとおりであります。新たな戦略は、大きな仕掛けに偏ることなく、むしろ住民の力を尊重する地域密着型の戦略が必要なのではないでしょうか。地域住民が真に自立し、個人が輝く社会を築くために、地域の諸課題に主体的、積極的に取り組み、市民に対する責任を果たしていくことこそが行政の役割であり、地方自治体の目指すところであります。
平成25年度にありましては、中山間地域の抱えている問題を真摯に捉え、市民生活を第一に、内にあっては人材育成と経費節減を進め、持続可能な効率的行政運営に努力したいと考えております。また、組織機構については、市民部環境課に新たに「エネルギー対策室」を設置して、近時の喫緊の課題である地域エネルギーの重要性を踏まえ、環境課の体制充実を行ってまいります。森林文化都市の特性を活かした、実効性のある環境政策の推進は、事業の主軸としてとらえていかなければなりません。さらには「歴史と大自然が息づく」活力ある諸事業を積極的に展開することによって、とみに高まった本市の発進力である都市間交流、観光推進事業を充実してまいりたいと考えております。また、安全・安心の確保は、国民的課題であり住民生活の基本でありますので、更なる充実を図り、市民協働による創造性豊かで明るく元気なまちづくりへの取組を着実に進めるものであります。
「平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によれば、日本経済は、世界経済の緩やかな回復が期待される中で、日本経済再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」の施策の推進等により、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指すこととし、そのための取組の第一弾として取りまとめた緊急経済対策を速やかに実施することで、エネルギー・環境、健康・福祉、農林漁業関連の新たな成長を目指す産業分野に予算の大胆な組み替えを進めつつ、景気の底割れを回避し、財政健全化と持続的成長を生み出す成長戦略につなげるとしています。
一方、群馬県においては、財政状況は近年になく厳しい状況の下ではありますが、平成23年度から27年度を計画期間とする第14次総合計画「はばたけ群馬プラン」の中間年に当たることから、3つの基本目標である「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」、「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」、「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」を推進するための施策に取り組むこととして、一般会計において6,663億8,700万円、対前年度比0.2%増の議会提案を行ったところであります。
このような情勢下にあって、平成25年度本市の予算編成に当たっては、歳入に見合った歳出構造への転換が極めて重要であることから、総体的なスリム化を図り、沼田市第五次総合計画に掲げる6つの施策の大綱を基本とし、合併10年後を見据えるとともに、後期実施計画における主要事務事業の推進を図るべく5つの施策を柱として掲げ、取り組むことといたしました。
第1が「安全・安心」、第2に「教育・文化」、第3に「健康・福祉」、第4に「産業・交流」そして第5が「エネルギー・環境」であります。従前にも増して市民との連携・協働を推し進め、創造性豊かで明るく元気なまちづくりを目指すものであります。
平成25年度の予算につきましては、国・県の財政及び施策の動向並びに本市を取り巻く地域経済動向などを見極めるとともに、極めて厳しい本市の財政状況を深く認識し、行政経費の一層の節減合理化を進め、最少の経費で最大の効果を上げられるように努め、さらには、平成27年度からの合併算定替の縮減を見据えながら、基礎自治体としての責任をしっかりと認識し、引き続き簡素で効率的な行政システムの構築に向け、財政基盤の強化と持続可能な財政運営を念頭に予算編成を進めてまいりました。
具体的には、歳入につきましては、市税をはじめとして極力財源の確保に努めるとともに、義務的経費を含めた歳出全般の抜本的な見直しによる行政経費の節減、事務事業の総点検、行政目標の明確化などにより、総体的なスリム化と効率的な財源配分に配意してまいりました。また、市債についても合併特例債等の有利な起債を活用するとともに、将来世代への負担を考慮し、適正な市債の発行に努め、効率的な財源配分に留意したものであります。
平成25年度予算編成方針のもと、編成をした一般会計予算の規模は、204億3,926万7,000円で、前年度当初予算と比較して1億2,658万8,000円、0.6%の減であります。特別会計等を含めた8会計総体の予算規模については、343億6,727万9,000円で、前年度と比較して5,354万2,000円、0.2%の減としたところであります。
予算の内容につきましては、現下の地域経済を反映して市税等の伸びが残念ながら厳しい状況下にあり、地方交付税については減額が見込まれる中、一方において経常経費である介護給付費や予防接種などの医療関係費及び扶助費などの社会保障関係費が増大しております。また、国家的課題でもある放射性物質除染対策にも全力で取り組まなければなりません。このような中で極力その財源の確保を図り、優先主要事務事業を中心に5つの柱にそった事業を絞り込み、メリハリのある予算とするべく努めたものであります。
また、今回国が編成した平成24年度補正予算、いわゆる緊急経済対策につきましては、本市として最大限の活用をし、新年度からの前倒しとして、追加の補正予算も視野に対応してまいりたいと考えております。
それでは、平成25年度予算の施策、5つの柱に沿って、主要事業についてご説明申し上げます。
1つ目の柱である「安全・安心」に関する事業といたしましては、市民生活の安全を確保する上で重要な防犯灯についてLED化を図るためのLED防犯灯推進事業、集落を定期的に巡回して住民の暮らしや集落維持などをサポートする集落支援員事業、道路の安全確保として市道等改良事業、橋りょう補修事業、40立方メートル級防火水槽新設事業、消防施設整備事業を計上いたしました。
2つ目の柱である「教育・文化」に関する事業といたしましては、継続して行う沼田中学校改築工事を含む小・中学校耐震診断・耐震補強事業、児童生徒の道徳教育の向上を図るための道徳副読本購入事業、沼田市中学校国際交流事業、(仮称)利南運動広場整備事業、生方記念文庫移転事業及び生方記念文庫管理事業、屋形原南部地区遺跡群発掘調査事業を計上いたしました。
3つ目の柱である「健康・福祉」に関する事業といたしましては、乳児の入院等の医療費を公費負担することで乳児の健康管理と健全な育成を図るための養育医療給付事業、児童手当支給事業、放課後児童の安全・安心な居場所づくりとして学童クラブの充実を図る放課後児童健全育成事業、地域子育て支援拠点事業、予防接種事業、健康診査事業を計上いたしました。
4つ目の柱である「産業・交流」に関する事業といたしましては、望郷ライン河岸段丘ビューポイントの駐車場整備を行う望郷ラインビューポイント駐車場整備事業、新規就農者の定着促進を図るための新規就農総合支援事業、野菜王国ぐんま総合対策事業、小規模土地改良事業平出原地区及び小規模土地改良事業高戸谷地区、鳥獣対策事業、花火大会を応援することで誘客等を図り観光振興を図るための観光イベント開催事業、観光宣伝事業、企業誘致推進事業を計上いたしました。
5つ目の柱である「エネルギー・環境」に関する事業といたしましては、県内を持ち回りで実施する「ふるさとキラキラフェスティバル」を沼田市制60周年記念事業として開催する花と緑のぐんまづくり推進事業、地球環境に配慮した再生可能エネルギーとして水力発電を開発するための水力発電推進事業、放射性物質汚染対策事業、住宅用太陽光発電普及事業、廃棄物再生利用推進事業を計上いたしました。
これら「5つの柱」の主要施策を軸とし、大変厳しい財政状況でありますが、限られた財源の中で、市民生活に直結する事業を優先して行政需要に対応する各事業を計上したものであります。
今次、我が国を取り巻く内外の社会経済情勢が混沌としている中で、昨年末の政権交代により発足した新政権は、長引く円高・デフレ不況からの脱却を掲げて大胆な経済政策を進めております。しかしながら、欧州の政府債務問題等、海外経済を巡る不確実性や為替市場の動向などのリスクも抱え、我が国の経済状況は、不安定で先行き不透明な激動の時代であります。一方において、基礎自治体にあっては、市民とともに歩み、市民の立場に立って市民福祉の向上を目指すという市政運営の基本は変わらないものであります。
このような厳しい社会情勢の中、これからは自然と共生し、循環する社会を目指す時代が来たと言われています。個人の利益で結びつく社会ではなく、公共の利益のためにお互いに協力する社会への転換であります。
そのためには行政と市民が信頼し合える関係を構築しなければならないことは申すまでもありません。市民の知恵は広く深いことを認識し、中央における机上の論議の中のプランと異なり、生活感や地域の実情を踏まえた重みをまとう貴重な知恵や経験を点から線へ、そして面に広げていくことが重要であります。小規模でも身近な資源や人材を生かし、奪い合うのではなく、分け与え合う精神こそ地域再生の基軸であると考えます。
久しく続いた混沌の中にあって、その先にある社会の姿は「一人ひとりが輝く社会」でなければなりません。かつての良き伝統を大切にし、新しい価値を創造し、それが社会の連帯を支える。市民や地元企業が個性と才覚を最大限発揮できる環境を整え、強い人が弱い人を助け、若者と高齢者が知恵と情報を伝え合う、そうした絆を沼田の隅々まで張り巡らせることを目標にしたいと考えています。
加速度的に進む少子高齢社会の対応は、ひとえに行政と住民の信頼関係であり、団結につきると思います。
中山間地域に位置する本市を取り巻く状況は厳しく、依然として難しい行財政運営を強いられる状況下にありますが、将来に安心感を抱けるよう、明るく元気な地域社会を目指しながら、改善・改良の精神を基本に、一方において、時の情勢を的確に把握して内外に果敢に打って出る発信力も必要であります。
市民と行政が連携・協働し、お互いに知恵と工夫を出し合い、「活力」と「交流」のある、個性輝く沼田市の建設に向け手を携えていかなければなりません。
江戸時代の地域振興の先駆者といわれる二宮尊徳翁は「百万石の米といえども粒の大なるにあらず、万町の田を耕すも、そのわざは一鍬ずつの功による。」と言われております。私たちはこの教えを胸に刻み、努力、研鑽して参りたいと考えております。
本市は先人の方々がご苦労され、脈々と築いてこられた輝かしい歴史と伝統を誇る城下町であり、森林文化都市であります。今こそ歴史と伝統が息づく本市の魅力を市民と共に創造し、そして発信していくことが求められている中にあって、市長自ら市政執行の先頭に立ち、職員と一丸となって対応してまいる所存であります。
議員各位におかれましては、力強いご指導とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げ、当初予算の方針と内容の説明といたします。
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