耐震改修をしないリスクを考えよう
沼田市では、地震による木造住宅の倒壊等の被害から市民の生命および財産の保護を図り、防災まちづくりの推進に資することを目的として、耐震改修工事費の一部を補助しています。
そこで、中々踏み出せていない方も多いため、耐震改修について研究し、実績を残した国立大学法人名古屋工業大学 高度防災工学研究センター監修のテキストより、多くの人が気持ちを動かされたフレーズの一部をご紹介します。
木造住宅の耐震リフォーム達人塾テキスト『木造住宅の耐震改修促進に向けた7つの鉄則』より抜粋
■「もう歳だから死んでもいいです・・・」
住宅の倒壊は自分だけの話だけではありません。住宅が倒壊すると隣の家にも被害を与え、道路をふさぎ、避難救援の妨げになります。これだけでも大変な近所迷惑なのに、実はもっと大変なことがあります。1995年の阪神淡路大震災のとき、倒壊した住宅の下から無事生還した方の88%はご近所の住民の方によって助けられているのです。強い家に住み、地震後は近隣の救助に向かえるようにすることが多くの命を救います。「もう死んでもいい」という人に貴重な近隣の救助力を使わせるのはひどい話だと思いませんか?
■「地震が来たらすぐ逃げ出すから大丈夫!」
震度6強以上の揺れでは立っていることが困難です。揺れて家が傾くと扉や窓は開きません。床には割れたガラスや食器も散乱することでしょう。こんな状況で家の外に逃げ出すことが果たして可能でしょうか?たとえ運良く逃げ出せたとしても、その後の避難所での生活を想像できますか?南海トラフ巨大地震のような超広域災害では、隣町も、そのまた隣町もみんな被災地です。被災地外から救援物資や非常食が届けられるまでには相当な日数が必要です。物資も食糧もない避難所生活がどんな凄惨なものか、想像してみて下さい!
■「自分が死ぬまでの間に来るかわからないものに金を出す気にならない・・・」
確かに大地震はいつ来るかわかりません。でも、いつ来るかわからないことを言い訳にして無防備に日々を過ごすというのはまっとうな生き方でしょうか。起きるかどうかわからないものに備えるというと、耐震は保険みたいなものと感じるかもしれません。でもこれは間違いです。健康保険に入っても病気にかかる可能性が低くなるわけではありませんが、耐震改修をすれば地震によって命を失う可能性は確実に減ります。耐震改修は保険ではなく、安心して暮らすための薬なのです。
■「もうすぐ建て替える予定があるので・・・」
建て替えの予定が控えていれば、耐震改修する気にならないのはよくわかります。でも、建て替えは何年後の予定ですか?地震は待ってくれませんから、ひょっとすると建て替える前に悲惨なことになるかもしれません。このような問題を考える場合、建て替えや耐震改修をするタイミングに応じて、地震で命を失う可能性や、家の損害額を計算してくれるツールがあります1)。被害の大きさとその可能性(発生する確率)の両方を考慮した指標を「リスク」と呼びます。やや上級向きかもしれませんが、「リスク」を使った合理的な意思決定に挑戦してみませんか?
■「お金がかかるしなぁ・・・」
ホンネはめんどくさいだけなのに、お金のせいにしていませんか?
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